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2010年9月12日 (日)

四国銀行の不正融資事件の始末

News & Letters/206

四国銀行の別件闇融資事件が最終的に高松高裁で決着を見た。
3億500万円の損害賠償の支払いが、当時の銀行最高幹部らに命じられた。
四国銀行に対して平成13年の夏から追求の手を緩めず、9年間の辛苦が実ったのである。

最初は、銀行の監査役に闘犬センターに対する融資について、提訴請求を起こしたが、すげなく却下された。どこの会社も同じく、監査役が、会社の監視役ではなくボディガードのような存在であり、何の役にも立っていないのである。却下されたから我々は株主に代わって提訴した。それが平成13年の10月のことである。

最初高知地裁は我々の訴えを一部認める様子で、和解案を出してきた。1億円ぐらいの話であった。しかし、四国銀行はにべもなく拒絶してきた。その結果、第1審判決は四銀役員側に1億6千万円の賠償金を支払えという判決を下した。

たまげた四銀側は控訴した。控訴では四銀側の言い分を認めて、逆転して我々を敗訴にした。

そうして、昨年11月最高裁小法廷で、再逆転があり我々が勝訴した。違法貸付の範囲は3億円を超えた。

そして、昨日平成22年9月10日、高松高裁で、最高裁の認定した最大幅の責任の3億500万円、我々の弁護士費用3500万円の支払いで決着したのであった。全体の損害額(不正融資額)15億円の5分の1であったが、それ以上は我々の力が及ばなかった。裁判官を揺り動かす力が無かった。

和解調書の内容は、第1に不正融資について陳謝すること、第2に、賠償金と弁護士費用を払うこと、そして、第3には、この裁判の基調をなす所であるが、銀行は高知県行政の不正に荷担しないことの誓約が盛り込まれた。

しかし、真実は、そんなものではない。銀行が県の不正に乗せられた、という筋書きではない。

県が闘犬センターのために「念書」を銀行に発行し、そこに県の公金を貸し付けるから、貸し付けるまでの肩代わりに銀行が金を都合してくれと依頼があった、という話ではない。この不正融資は銀行が仕組んだものだ。
その証拠に依頼した「念書」は銀行と県の間でファックスで吟味がなされていた事実が確認されている。

銀行が県の上にあった。指定銀行の四銀の幹部は県庁を押さえていた。
四銀は、有力株主の子分である男の借金(主に高利貸しからの借金と言われる)を銀行の金と県の金で処理しようとしたのである。

その借金もはっきりした証文は一切ない。商売によって生じた借金とは思われない。ただ1枚の事務員のメモがあり、それに10億円近い借金の相手と金額が書いてあるという程度である。普通そんな訳の分からないことに銀行が億単位の金を出すであろうか。

公金にも等しい銀行の金を、闇金融の世界へ横流ししようとした事件なのであり、それに、県庁を保証人代わりに巻き込んでいたのである。県庁はこの金をころがしという手法で密かに貸し出し(実際はプレゼント)、年度末に1日だけ県の会計に戻すという偽装を続けようと画策していた、というよりそうさせられていたのであろう。

結局、県庁がこの金を出すということが、確かな担保だということになって、裁判所は、最初の融資から、相当部分の融資の責任をみとめなかったのである。

銀行の損失を関係役員の責任に転嫁出来なかったのは、ひとえに県の闇融資の意志の存続という事実であった。その意志がある限りにおいてすなわち予算措置がある限り、例え執行しなかったとしても、融資には根拠があったというのが裁判官の判断である。

金融資本の魔性に縛られた小官僚の浅はかな行為が、段々と不正融資の拡大に寄与し、会社に大損害を与えたのであった。

融資した金が何に使われたかもはっきりしない。闇の向こうにけらけらと笑う魔性のものの声が聞こえる。

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