核の抑止力
News & Letters/195
社民党系と思われる週刊誌「週刊金曜日」を愛読している。
いろいろな分野で教えられることが多いし、貴重な資料として活用している。
しかし、何か論調に物足りないものを感じる。
中でも安全保障の問題では堂かなあと思うものがある。
例えば、2010年の6月4日(801号)の「日米安保条約をめぐる4つのウソ」の4氏の小論であるが、いずれも核の抑止力や核の傘を主要テーマにし、抑止力理論を批判しているが、不十分であると思う。
第1氏の論文:『重大なのは日本が「攻める」危険性』という見出しで「・・・もし攻められたら」と夢想するよりも「もし攻めてしまったら」というリアリティに敏感であるべきです。という。
確かに現実はその通りであるが、問題のテーマは日米安保条約をかざしてその「リアリティ」を現実に推進している核の抑止力理論をどうするのか、という論点がはぐらかされている。日米帝国主義の現実の分析がテーマではないのである。
第2氏:『軍事力の対朝圧倒優位では意味をなさない』の見出しで
「北朝鮮には日本に届く核ミサイルがあり、金正日は何をするか分からない」というのです。でも、そんなことをしたら次の瞬間、米国はそれを格好の口実にして、圧倒的な軍事力で朝鮮をたたきつぶします。」といい、さらに
「・・・戦争を仕掛けられるのを恐れているのは朝鮮です。(だから、かつて米国がソ連にしたように、核ミサイルで身構えているのです。)」という。何のこっちゃ、これは抑止力理論そのものです。
第3氏:『戦争する意図も能力も必要ない』という見出しの論文で、「朝鮮の空軍力は機能しません。・・・・だからこそ朝鮮は核やミサイルに特化して「ばかにするなよ」というメッセージを出すわけです。軍事力の比較をして弱国が非力を補うために核武装している現実を描いている。北朝鮮の核の抑止力をバカにはしているが、日本の北朝鮮を相手にしての核武装を止める論理にはなっていない。
第4氏:『抑止力の概念の援用に問題あり』という見出し。「海兵隊は、先制攻撃・敵前強襲を専門とする水陸両用の殴り込み部隊なのです。」だから抑止力というのは間違いだという。どうして間違いなのでしょうか。日米安保条約を支持する手合いは全てこのようなすごい海兵隊の攻撃性をこそ評価し、抑止力として必要だと考えているのである。海兵隊の本性的威力を説明するだけでは抑止力理論を批判したことにはならない。
かくて、週刊金曜日の掲載した4氏の小論文はすべて帝国主義者どものパワーポリティックスの理論であり、核や海兵隊の抑止力を肯定した理論でしかない。
1、原発・原爆は軍事的にも経済的にも何も人類に有益なものを提供しない。それを使用しなくても製造するだけで、他国民だけではなくむしろ自国民の廃滅をもたらすものである。放射能漏れを防げないし、いつの日か大事故が必ず起こる。
2、核爆弾は使うことは出来ない。使ったら「敵国」だけではなく自国民や関係ない他国民までをも攻撃することになる。放射能には国境はない。地球を駆けめぐる。
3、核兵器や原発など核施設を持つだけで、その国は一切の戦争行為は出来ない。
すでに核施設を多量に保有している日本は、武器を持って対峙する政治的行為も出来ない。核施設は通常兵器で攻撃しうるし、自爆行為で破壊することも出来る。核兵器はともかく原発は余り人里に離れていては意味がないから、市民的姿での破壊活動を防止できない。
我々は、社民的体質を克服しなければならない。
沖縄にも本土にも米軍は要らないのである。無益であるばかりか危険だ。勿論日本が核武装をする必要性は全くない。
日本人は、そんな金があれば、先の侵略戦争で被害を与えたアジア諸国の人々に損害賠償をしなければならない。
国家予算を傾けるわけにも行かないがこれから100年計画で払うべきものは払わねばならない。
抑止力じゃなんじゃといえるのは血の負債(血債)をはらってからのことであり、そのようなことをしている国を攻めてくる国はないであろう。
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