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2010年4月 3日 (土)

私の系譜

News & Letters/185

 私は、昭和19年の1月17日に生まれました。
1月17日は歴史上いろいろ不幸な事件が起こっています。近くでは、阪神大震災も1月17日でした。
この1月17日はすでに明治の文豪尾崎紅葉が金色夜叉」という小説で予言しています。

 場所は熱海の海岸。人は間寛一とお宮さんです。
「今月今夜のこの月は、僕の涙で曇らせてみせる」

 私の父は阿波の徳島の川田という駅の近くで、父母までは天の村雲神社の神主をしていたという。

 母は高知県室戸市の吉良川町西灘という寒村で小作農の娘として生を受け、父とは19歳の時に大阪で結婚し、私と姉を生みました。
父母は私が小学校2年生の時離別し、私と姉は母と一緒に高知に逃げ帰ってきました。母は父の籍に入っていず、従って私と姉はいわゆるててなし子という事になりました。父が、母を入籍しなかった理由ははっきりしませんが、母の出身が同和地区であるこに関係があったのではないかと思われる。

 私が大阪の高校生の時、60年安保闘争がありました。多くの労働者のデモの隊列を見て感激し、いつしか渦の中に入っていました。
その前に中学生の時勤評闘争があり、私らの先生が赤いはちまきして座り込んでいました。

 私が大学にはいるときには、赤旗と立て看板をくぐりながら校門に入り度肝を抜かれました。

 学生部長が天皇のことをてんちゃんとか、皇太子のことをちびてんとか呼んでいて、これにもびっくりしました。
 私は、1人の貧しい人民として人民のために勉強しようと決心して大学に入ったのでした。

 私は、当然のことのように反体制運動に入っていきましたが、最初からマルクス主義になびいていたわけではありません。

 私が最初に心を打たれ一生懸命勉強したのは、自由主義者たちの著作でした。
河合栄次郎に深く傾倒し、この人の本を買い集め繰り返し読みました。この人はリベラリスト・ミリタント(LIBERALIST MILITANT)とも言うべき人で、かの2・26事件を公然と批判し、ついには大学を追われる事になった人です。
河合には「T.H グリーンの思想体系」という大著があり、それを下宿で一生懸命に読みました。

 新カント派の理想主義哲学で、私は完全な観念論者になった気でいました。そして、河合の系統の学者の本を読みあさりました。その弟子である猪木正道などには直接会って話を聞いたりもしました。
河合は命がけで軍国主義に抵抗しましましたが、マルクス主義を批判する立場でした。

 さらに、私は、N.A ベルジャーエフというロシアの思想家に傾倒し、この哲学者の本を読みあさりました。特に「ドストイエフスキーの世界観」という著作には深く感銘しました。ベルジャーエフはキリスト教的な哲学者でレーニンと同じ世代です。ロシアのツアーリズムには抵抗しましたが、彼も共産主義に批判的でした。マルクス主義をひん曲げたスターリン主義に対する批判はすでにベルジャーエフやドストイエフスキーの思想の中心にあったのです。

 私はマルクス主義の文献も読みましたが、科学的な分析はその通りだと思うのであったが、どうもマルクス主義には、私の主体的な意志や熱情を根拠づける思想性がないのではないか、という疑問を抱き続けてきました。学生運動に参加し政治的にはラジカルであるが、思想的には保守的な観念論的であり、ちぐはぐな気持ちを持ち続けていました。

 私は、自分がマルクス主義者になるうえで、河合栄次郎とベルジャーエフの思想の煉獄を通過して洗礼をすましていて良かったと思っています。

 私がマルクス主義に傾倒しましたのは、確か大学2回生の秋ぐらいだったと思います。

 今でもはっきり覚えています。立命館大学の清心館の日本史研究室で、そこの書架にあったマルクスエンゲルス選集補完第4冊を読んで、私は感動し、マルクスが自分の理想主義哲学と同じ出発点にいたことがわかりました。その補完4はマルクスの若い時代の論文集でしたが、中でも「経済哲学草稿」や「ヘーゲル法哲学批判」などは感動的であり胸がふるえるような興奮を覚えました。

「ドイツの解放は人間の解放であり・・・・
「人間を人間の最高の本体なりと宣言する、そのような理論にたってする解放、・・・」

 私は夕暮れの京都の町を歩きながら、私の思想の方向をマルクス主義にはっきり向けることを決意しました。

 若い時分のマルクスの論文には、後年の著作には見られない彼の生の声(ヒューマニズムと変革のパトス)がわき出ていました。
この様な私のマルクスへの接近が正しいことが分かったのは、梯明秀とアメリカのラーヤ ドゥナエフスカヤ女史の著作によってでした。私は2人に実際に会いました。梯教授は京大と立命の教授でしたので生前に何度も会うことが出来ました。
梯教授の本の名前は手元にないので忘れました。

 ラーヤはロシア革命の指導者トロツキーの秘書をしていた女性でした。私は集会の壇上でラーヤ女史と肩を組んでインターナショナルを歌いました。私の肉体は確かにロシア革命につながったのだと思いました。ラーヤ女史はその時ドイツ語で歌っていました。彼女の本は「MARXISM AND FREEDOM](翻訳「疎外と革命」)です。
梯とラーヤのこの2人の偉大なマルクス主義者の哲学はマルクス主義をプロレタリア・ヒューマニズムの根底でとらえており、ドストイエフスキーやベルジャーエフの批判にも十分答えることの出来る真の革命の哲学でした。

 私は、若い世代の人々が梯教授やラーヤ女史の本を読んで、いま資本主義の破滅が地球の破滅をもたらそうとしている時、マルクス主義の思想と実践に踏み出すよう勧めるものであります。

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コメント

時代は巡り、マルクス思想の中心の差別性が批判されるときになりました。その差別性こそ、まさにスターリン主義を準備したのではないか、と。

実は現在、その観点から本を執筆中です。それでもなお、マルクスの行った「差別的言説」の、痛烈までな真実性――ユダヤ人解放はユダヤ人が「汚い商売などのユダヤ人的な行為から解放されること」=「ユダヤ人であることを止めること」――に考え込まざるを得ません。

ユダヤ人マルクスが、痛烈にユダヤ人を批判し、その論調は差別的であること。しかし、それは真実を抉っていること。

「時代の制約」で片づけられるような問題ではないと思っています。

http://red.ap.teacup.com/tamo2/1227.html

http://red.ap.teacup.com/tamo2/602.html

投稿: TAMO2 | 2010年5月 9日 (日) 19時42分

★エネルギー自給村★マイクロ水力発電で、地域おこしに取り組んでいる市民団体があります。 地域の個性を生かした仕事おこしをしよう、と旗揚げした「NPO地域づくり工房」の小水力発電への取組みに学びます。http://bit.ly/b3S4W5http://bit.ly/9VL8lY

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 20時32分

● — 日本発、世界最先端の「エコ・ビレッジ」ミレニアムシティ「サステナブルデザイン国際会議」(2006年12月14日)での、井口浩理事長(NPO法人ミレニアムシティ)の「住む人の発想で市民が都市をまるごとつくってそこに住んでいこう」http://bit.ly/9SlIG6

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 21時35分

たかじんの何でも討論 2010年5月16日放送

●官房機密費を講演料として受け取ったんだから問題ないとの三宅発言。田原総一郎は官房機密費の必要性に問題をすり替え、受け取ったかどうかはっきりと個体得ない。自白しているようなもの。検察庁、国会での証人喚問が必要でしょうね。世界が注目している http://bit.ly/cl1amK

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 21時37分

— 2008年02月06日 — 日本発・世界最先端のエコ・ビレッジ<NPO法人ミレニアムシティ>の紹介ビデオです。<NPO法人ミレニアムシティ>とは「住む人の発想で市民が都市をまるごとつくってそこに住んでいこう」という活動です。約7年前から有志が集まり、現在では賛同会員メンバー含め約250人(うち理事約50人余)、様々な職業や立場の人々の混在する市民団体になってきました。コミュニティ通貨「ミレ」も発行しています。詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=T-Y_26BJPCY&NR=1
http://www.npo-mc.com/

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 21時42分

★5月28,29,30日 城西国際大学 東京紀尾井町キャンパス「エコビレッジ国際会議」 が多くの人々の参画の下に盛大に開かれ、ワールドシフトに貢献できますように!http://bit.ly/aDwipT #ORIZURU http://bit.ly/bAiqve

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 22時04分

●生物多様性国際会議を人間の鎖でつなぎたい。犬や猫、動物達と一緒に原発施設からの放射能漏れ公衆衛生被害を訴えて。賛同者はご連絡を!★チェルノブイリ忘れない120キロ『人間の鎖』ドイツ10万人超実現

http://bit.ly/dkcTZu 
http://bit.ly/9iZ680

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 22時05分

●セレブレーションアースのコーディネーターです。彼との連絡で、具体的な話を詰めていきます。

★中渓宏一さん  夢その1「緑溢れる地球に住みたい」 夢その3「自分の暮らしの自給自足を目指しながら、自立した、持続可能な社会創りのお手伝いをしたい。」 夢その8「自分でドームハウスを創りたい」

http://bit.ly/c8BGUV
http://bit.ly/bNc5jU

投稿: 山下由佳 | 2010年5月17日 (月) 23時25分

http://www.shomeido.com/special/ecomelon.html

http://www.youtube.com/watch?v=Ql9LYU2Vkq0

★バイオマスペレットを農家が使用して、ソニーとCO2歳出権取引をした事例。バイオマスペレットを売り出す先が見えてくる。


温室のボイラーの燃料を、重油から木質ペレットに切り替えるという新しい取り組み。

この取り組みが「国内クレジット制度(国内排出削減認定制度)」でCO2排出削減事業として、経済産業省から認められました。

国内クレジット制度とは、大企業が温室効果ガス自主削減目標を達成するために、他の企業が省エネ技術で減らしたCO2の排出量を購入する仕組みです。


この制度を使って遠州木質燃料組合の皆さんが減らした、年間約1,392トンのCO2を買い取るのは、なんとあの大手電機メーカーのソニー株式会社さん。

国内の大企業の中でもエコに非常に熱心なソニーさんからも認められたメロンなのです。

投稿: 山下由佳 | 2010年5月20日 (木) 09時44分

ビデオのアップが出来ました。
http://bit.ly/cUgmW4

●NO-MOX!反核東洋町・澤山保太郎町長インタビュー02_3.mp4
From: costarica0012 | 2010年05月20日 | 再生回数 10 回

★2010年4月24日、核廃棄物持込反対運動で誕生した、オンブズマン出身の「澤山保太郎」町長に、現在の地方自治改革について、お話をお伺いしました。高知県民として、ベーシックインカムの思想が、すでに3000人の小さな町で実践されていることを初めて知り、驚嘆しました。この事実からも、高知県のマスコミの怠慢の実態を思い知る結果となりました。

市民による市民のための情報発信の必要性を痛感します。その取り組みの第一弾、本来は、字幕を入れたかったのですが、時間不足、おいおい修正します。

澤山町長は、佐賀プロサーマル訴訟支える会会長に就任し、第二番目の伊方プルサーマル問題とも取り組んでいます。全国を駆け回る、お忙しい方ですが、貴重なお時間を取ってくださり、心から感謝申し上げます。

東洋町から、自然エネルギーへのワールドシフトの実践がこれから始まります。乞う、ご期待。

森林資源を豊かに有する東洋町では、木質バイオマスペレットを販売しています。この小さな町を応援してください。 

東洋町は、日本改造計画のホットスポットとして、これからも重要な役割を果たしていくでしょう。ご注目ください!

http://blog.goo.ne.jp/costarica0012

http://blogs.yahoo.co.jp/costarica0012/14546230.html

http://ameblo.jp/costarica0012/entry-10540557492.html

●CELEBRATION EARTH セレブレーション・アース 個人が力を取り戻し、地球を癒す時が来た地球の涙に虹がかかるまで
http://bit.ly/b2leFq

投稿: 山下由佳 | 2010年5月21日 (金) 07時41分

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