旧土電の跡地
News & Letters/165
高知市の中心はりまや橋の南東かどのデパート旧土電・西武が消えて数年経った。その跡地をみぐってけんけんがくがく、果ては署名運動まで起こっている。
新聞やテレビでの話では、署名の趣旨は、パチンコ屋ができるそうだ、それはいけない、行政がこの土地を確保して何かに使え、ということらしい。署名運動の主体は高知の経済界のお偉方ということのようである。県は買う気がないらしい。
私の見解1:
県や市が購入して、公益にかなう何かに使うのも一案であろう。しかし、何でも行政に買わせ、行政にやらせろ、でいいのであろうか。
今NHKで人為的に人気絶頂になっているあの坂本龍馬はどう思うであろうか。
龍馬であれば、藩ではなく、俺たちがやる、ついて来い、というであろう。
龍馬であれば、民間から金を募って、そのうちいくらかは県から金を引き出したとしても、草もうの志士の主導、事業の計画から実行まで決して行政にものごとを預けないであろう。
龍馬の時代の人は、権力に・・・してくれ運動とは無縁であった。
智恵と度胸で自分たちが主導し、そうした上で藩や財閥を乗せるのである。
見解2
高知市の中心にパチンコ屋はいけない、というパチンコ屋への偏見。
私個人はパチンコは好きではないし、そんなものに使う金は一銭もない。時間もないし、パチンコ台の前に立つと急に憂鬱になる。
しかし、人が嬉々としてやっているのを見ると、パチンコは何も不潔な商売ではないし、犯罪性もない。何兆円もの巨大な遊興の市場であり、多くの国民の支持がある。その金がどこへ流れているかについては大いに疑問があるが。
競馬や競輪に公費をかけているのとくらべ、パチンコ業はどこからも一銭の補助金も受けていない健全な事業だといえる。
もう少し、安く、家計に響かないように遊ぶパチンコの仕法を工夫する必要はある。
それで競輪、競馬、競艇と同じように公設のパチンコを開くことも考えるべきであろう。
競輪などはれっきとしたバクチであり、その上がりが福祉資金になる限りにおいて、刑法の処罰から免れているに過ぎない。それで県も高知市も公認のバクチ競馬を平然と開催している。
赤字になってでも競馬を続行すると言うことになると、バクチを禁止する刑法が前面に出てくる。
しかし、パチンコは賭博ではない。自分がするゲームの勝ち負けだ。
パチンコ屋が旧土電デパートの跡地に出来ることは、何の差し障りもない。売春宿が出来るのとは訳が違う。昔は、高知市はもとより、県東部の港町などでも町の真ん中に売春宿がおおっぴらに店を開いていたのである。
パチンコのゲームをもっと手軽に、格安値段で楽しめるように改善する余地は大いにある。
土電西武デパートの跡地にパチンコ屋や映画館、本屋、喫茶店、土産物屋、コンビニ、地場産品販売店・・・など種々雑多な業種が集まって娯楽と手軽なショッピングの集合体、新しいデパートが出来れば、・・・と私は思う。
それは、私らが購入したホテルのように民間の資金で立ち上げ、複数の行政にも一口、二口・・・乗ってもらうという手法が大事であり、これが龍馬の発想であると私は思う。
土電の社長さんら高知市の経済界のお偉方の発想は、最近とみに衰えてきているのではないか。
昔、私は解放運動の現状を批判したことがあった。
ひどい戦前の差別と弾圧をくぐり抜け、戦後運動が随分大きくなり進んで、何でも行政が言うことを聞くようになった。それで、・・を行政にやらせろ、・・・を行政にやってもらう、という、やらせ族と、もらい族がはやりだした。私は強くこの傾向に警鐘を鳴らし、自分でやれ、自分で闘い取れ、という自主解放、反権力闘争としての解放運動を全国に呼びかけたものだ。
手や足がなえ、頭が回転しなくなり、もらい族とやらせ族は滅亡するしかないのである。
民百姓の年貢米に寄生していた武士たちが武器を取って澎湃として立ち上がって、維新回天の事業を推進した。幕末の武士たちは、長い間のもらい族の身分を捨てて自分の実力で時代を切り開いたのであった。その中に坂本龍馬も確かに居たのである。
私が何度も言うように、龍馬を観光の道具にするのではなく、生きる指針として仰ぎ見る必要があろう。
署名だけではなく、一銭でも1万円でも資金を集めて自分らで土地を確保して、新しい事業を構想するべきであろう。
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コメント
「跡地をみぐって」って・・・・。
なんで西武跡地と龍馬が関係あるのかも意味不明やで町長。
投稿: たま | 2010年1月 3日 (日) 20時51分
私もこの件に関しては澤山町長と同意見で、自分のブログに書きました。
補助金を『毒饅頭』といった視点も消えて、あるもの壊しでないものねだりの風潮はいかんと思います。
それに引き換え、町長の言うあるもの探しは民力を高めます。
意見は『高知おこし 新堀川』の
1月10日の項に書きました。
http://white.ap.teacup.com/shinbori/
投稿: 下司孝之 | 2010年2月15日 (月) 12時40分