再議
News & Letters/138
再議権の発動
地方自治法(176、177条)では、異議のある議決のみならず瑕疵ある議決や違法な議決・選挙が地方議会で行われた場合、首長は、再議権を発動できる。再議権は、これは議会が何でも優位にあるのではなく、それを執行部と対等な立場を保持させるために、議会の行き過ぎを是正する措置を首長に与えたものである。
このたびの東洋町の8月12日臨時議会の修正案は、この再議にかかるものであり、再議権の発動は首長として義務的なことである。
田島毅三夫議員の出した修正議案は無茶苦茶な内容で、こんなものがよくも町議会で賛成多数になったものだ、と思われるものであった。
再議には二種類ある。
一般的再議(地自法第176条第1項)と義務的再議(同法176条第4項、同法177条)である。
下の理由は両方を兼ねている。
修正案再議の理由******
第1、ホテル購入費に反対するのはいいとしても、その予算額6500万円を減額し、それを「予備費」に回すというもので、全体の歳入歳出は執行部原案と同額というものであった。
しかし、予備費に回したその6500万円の財源は何かという問題がある。
ホテル購入等の6500万円は国の地域活性化・経済危機対策の臨時交付金であり、これは、事前にその事業計画が国に認められたものに交付されるものである。ホテル購入は国がその事業計画を認めたものであり、従って国の交付金を財源とすることができる。「予備費」などというもののために交付金がおりてくるわけはないのである。
一体5人の議員たちは、6500万円のお金をどこに見つけたのであろうか。自分たちで調達して来るとでもいうのであろうか。修正案といえども予算案であるが、財源不明の予算書を可決して何とするのであろうか。いい大人がこんなばかげた予算案を可決した、といって手をたたいて喜んで良いのであろうか。
再議理由第2
このホテル購入については、賛否両方の請願書が出ていた。ところがこの議会では請願書の議案をパス、議運委に付託することにして審議・採択しなかった。しかし、これは請願権をないがしろにする行為であり、当該案件の審議採決が終わってから当該案件の請願書を審議するというのであるから、請願書を実質上むげに議案にもせず却下したも同然となる。
就中、ホテル購入の請願者の方が1000人を超えて圧倒的多数なのに、それの半分にも充たない反対者の請願だけを通したと言うことになり、極めて不公平で公正を欠いている。請願権は憲法の保証するところであるが、それをないがしろにしてなされた議決は重大な公民権の侵害であり許されない。
再議理由第3、
ホテル購入は、町の行政財産(青少年「旅行村」)の回復行為であり、管理条例上行政はそれを昨日させる義務を負っている。15年も前にこの行政財産が何者かによってぶっ壊され、跡地は民間ホテル業者に売り飛ばされた。行政財産上に「私権」を設定することは固く禁じららており、その行為は無効と明記されている(地方自治法第238条の4の第6項)。本来あってはならないものによって占有されているのであるから、それを元に回復する措置が必要であり、平成5年の町議会の譲渡議決(無効なもの)にかかわらず、行政は、青少年「旅行村」の現行管理条例を実行する義務を負っている。
売り払ったのであるから、今となっては買い戻す以外にこの義務を履行できない。故にこの購入による行政財産の回復行為を妨げる議決に対しては、地方自治法第177条2項第1号にある(普通地方公共団体の義務に属する経費)の支出を妨げることになり、首長としては義務的な再議となる。
第4、この行政財産の回復措置を執らない場合は、行政目的の施設を運営し所期の効果を実現できないばかりか、補助金適化法に抵触し、返還金等の罰則の適用を受ける可能性がある。
罰則を適用されることは法令違反によるのであるから、これは、地自法第177条第4項(議決が法令違反)に該当するから、義務的再議事項となる。
なお、今回の場合議会で、首長のホテル購入・行政財産回復の予算措置が通らない場合は、県に審査を申し立て、その裁定を仰ぐことになる。それでも県が認めない場合は、裁判所に訴訟を提起することが出来ることになっている。県庁もこの案件をどこまで正しく裁けるか。
継続中の補助事業の拠点施設を勝手に破却し、それを売り飛ばすという蛮行が許され、まっとうな行政行為(その回復措置)を阻害し続ける議会、これが日本の地方行政の現在の姿である。
東洋町(だけではないが)ではこのような理不尽なことが行政・議会の全面を覆ってきたのであった。
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