サーフィン愛好者へのご回答
News & Letters/175
生見海岸はサーフィンのメッカとなっています。
それはそれで良いことでしょう。
私は、ほとんど毎日その海岸を西の端から東の端までパトロールするのが日課の1つです。
ウミガメが産卵のため上陸するのを巡視するためです。つい数日前の連休明け、かなしいかな、ウミガメ二匹が漂着して息絶えて死んでいました。海から数十メートルはい上がった浜辺に死んでいました。どうしてだろうか。去年も1匹死んでいるのを見つけました。
この連休中、生見海岸2キロの浜は、大勢の人で賑わっていました。終日人でごったがえし、浜は人の足跡だらけで、その上あちこち掘られ、ゴミが散乱していました。
はるかなる海原をこの生見海岸目指して帰ってきたウミガメは、荒れ果てた砂浜にたどり着き、産卵すべき静穏な場所も見つけ得ず、絶望して、息絶えたのではないでしょうか。私はそう思うのです。
人々は、太古の昔から、ここに産卵を繰り返してきたウミガメたちの、その嘆きを考えてみるべきではないでしょうか。亀のことよりも、人間の楽しみの方が優先である、という反論が来るかも知れません。
私に死んだ叔父が1人おりました。彼は海士で、魚つきの名人でした。また、尺八の名人でもありました。名人というのは尺八を作る名人であり、吹く名人でもありました。家にはたくさんの尺八がごろごろ転がっていました。
私たちは決して亀を食べませんでした。
その叔父の名前は沢山亀千代というのでした。
漁師の家に上げられた海亀は、ぼろぼろと涙を流すのです。だから、私たちは決して亀を食べなかったのです。
サーファーの皆さん、確かに生見海岸にはトイレが少ないと思います。近いうちにもう1つ立派な、きれいなトイレを作りたいと私が町長に就任したときから常に思っています。この6月の議会に予算を計上できたらと思います。1千万円では済まないでしょう。東洋町にとっては1千万円は大金です。
海水浴で賑わう白浜ビーチから生見海岸まで施設や海浜の清掃など管理費用は莫大で毎年数千万円かかります。白浜ビーチの施設は県の施設ですが、県の出し前は、年にわずか90万円です。
生見海岸の施設は、町の単独の負担です。
トイレ掃除の人件費だけでも年間数百万円いるのに・・・・・。年間1千数百万円の駐車場料金は、新町政になってやっと町の会計にはいるようになりました。それまでエラーイ誰かさんにとられていたのです。しかも、大量の割引カードが行方不明のまま、使われてきたのでした。
しかし、この駐車場料金を手に入れてもまだまだ費用にたりません。
貧しい東洋町は自分の町民の生活を支えるのもままならない状況です。たくさんの失業者がいます。
全国一の生活保護率です。滞納も全国最悪です。
人口の流失も加速度的です。
老人ホームも造らねばなりません。学校も耐震補強を、津波避難高台、密集地に道路も・・・・造らねばなりません。漁協の施設も崩壊しかかっています。・・・・・
新町政は、子供達やお年寄りの医療費をただにしたり、米の配給までしています。それくらいひどい生活状態だからです。
全国から生見海岸に集う多くの人々のお世話も出来るだけしてあげたいと思います。
しかし、本来は、やせ細ったこんな小さな東洋町ではなく、全国的な人々の世話は国や県がするか、しかるべき団体がするべきではなかろうか、ふとこんなことも考えます。
私の脳裏には、第1に、住民の暮らしのことと、第2に海亀などが安心して訪れられる自然環境のこと
、これでいっぱいです。
私がしたいことは、自分なりの学問をしたいということですが、そんな時間がなかなか取れません。図書館で借りてくる本もろくに読めずに日が過ぎて返本することがしばしばです。
本格的な夏が来ます。サーファーの不便さもいよいよ真剣に考えなければなりませんね。
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コメント
こまかいことは感じません
すごく、町長の気持ちが感じられました。
この記事はすごくいいと思います。
ごめんなさい。
こんなコメントで。
投稿: now!me! | 2009年5月11日 (月) 21時46分
本日の庁議で、生見地区のトイレ建設について話し合いました。作るからには、2000万円位かけて、上等なトイレを、役場の前の国道沿いに作ろう、という町長の提案について、庁議メンバーが概ね了解しました。
そこはサーファーの町営駐車場があり、また、大阪難波・梅田行きの高速バスの発着場でもあります。
この予算が6月議会に計上できるかどうか、財政を預かる職員のやりくりにかかっています。
国や県に対して少しなりとも助成してくれるよう交渉することにします。以上
投稿: 沢山保太郎 | 2009年5月12日 (火) 19時33分
ウミガメにとって脅威なのはサーファーなんかではないでしょう!
別名「カメ殺し」との異名を持つ定置網漁法のほうがよっぽど残酷な気がしますが。
投稿: たま | 2009年5月12日 (火) 21時15分
ここ大岐の浜も3年前から海がめ保護条例で保護されていますが、ご存知のくらげと間違ってビニールを食べて死んでしまう事や、産卵の時間は基本的に静かな深夜なのですが、3年前に夕方の人がいる時間に産んだのをはじめてみました。
海がめは産卵に上がる時に、音や、光に敏感でそれを感じて産卵しなでい沖で待機します。だから焚き火が禁止、花火なんかもってのほかですが、ここではそう言った事を知らない人が夏に多くの方がやってきます。
ここら周辺では海がめを今でも食べる人はいます。年配の方で鯨より海がめが美味しいと言う人もいます。
でも時代が変わり、守っていく為に色々な事を知らなくていけない時期だと思います。
投稿: 海癒のみつ | 2009年5月13日 (水) 10時42分