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2008年12月 2日 (火)

高知県産業振興アクションプランについて

Nes &Letters/134

高知県庁の産業振興アクションプランなる会議に出席した。
この会議を開催する、という思いつきには敬意を表しなければならない。各市町村長や産業関係者を集めて意見を聞き県の産業政策を進めるという。
今までに余りなかった話ではある。

しかし、衰退しきった高知県の産業を復興する戦略が分からない。出されたたくさんな資料は県下市町村の事業の寄せ集めで、結局地場産物を売れ、ということのようだ。
しかし、県自身の戦略がはっきり分からない。町にやらせてそれを支援するという程度で、予算も21億円という。むろん無いよりましだ。

高知県自身が日本の辺境であり、経済的には最底辺をいっている。その高知県でさらに辺境の最低をいっている市町村である我々に対して、高知県は冷たい追い打ちをかけてきた。農業普及員も、漁業指導員も全部引き上げた。保健所も土木事務所も引き上げるか半減した。それらの事業予算が激減したことは勿論だ。ふるさとは、限界村落どころか、限界突破村落の惨状が広がる。まるで戦乱の後の光景のようだ。

   なれや知る 都は野辺の夕ひばり

         あがるを見ても

              落つる涙は

応仁の乱後の都人の感慨だ。

誰が、こうした?
県政自身ではないのか。

、モード・アバンセの事件ではオンブズマンは公金の不正支出を問題にした。しかし、他の事件もそうだが、それは公金の支出に限定して監査請求や住民訴訟が許されてきたという事情によるのである。
政策論争は問題にされなかった。
モード社の事件は、刑事事件や民事事件が本来のものではない。本来は、県の産業政策とその破綻なのである。
縫製工場。市町村の担当職員が、いかにして手数の多い、雇用の多い職場をまもるか、汲々として努力をしてきたか。それを近代化、高度化と称して協業組合に吸収して、コンピューターで動かす大きな工場に替えた。その結果数百人の従業員は数十人に減らされ、最後には外国人研修生十数人にまで減少し、つぶれた。

県は巨額の公金をだましとられた、とか、知らなんだとかいって責任のがれの陳弁を続け、学識者を集めて総括だ、反省だといって、体裁を繕っているが、間違った産業政策について何にも問題にもしない。

又橋本知事は、高知の農業政策として、外国を出向いていってそこの安い経費で農産物を作り、それを高知へ輸入し、その輸入品に高知ブランドの名前を貼って売り出せ、大きな差額がもうけとなる、という説を繰り返し主張した。私が幾たびもその偽ブランド戦略に抗議したが、無視された。
今でも前知事著作の2冊の本でその主張が続いている。その一つは新書版の『知事』という本である。

県は、アクションプランでそれぞれの市町村でブランド商品を、というが、全国の書店に出回っている高知県知事の偽ブランド戦略はどうするのだ。

東洋町は30~40年前からポンカンの産地で有名だが、今それも生産地が広がり、独占的な地位はもう存在しない。新しい柑橘の品種開発が必要だ。
しかし、県の果樹試験場の貧相ぶりを見てみよ。

朝倉の狭隘な山道を登ったところに施設がひろがっている。スタッフは十数人だとのことだ。あわれをとどめる。愛媛県の試験場の陣容に比べるべくもない。

県庁の金と人材を地方農山漁村に放下すべきだ。やることはいっぱいあり、自然産物の宝庫が放置され眠っている。森林は豊かであるが、誰も見向きもしない。鹿やイノシシの野獣も豊富だ。耕すべき放棄農地はいくらでもある。長大な磯はあるが、人災的乱獲で枯渇し、清流はあれど魚影は見えぬ。

田園まさに荒れなんとし、父祖伝来の巨大な財産が失われようとしている。
このふるさとの荒廃を高知県は一顧だにもしてこなかった。県庁でパソコンを使って手を動かしたり、コーディネーターかなにかのようにおしゃべりをしていれば何か県勢の浮揚につながるとでも思っているのであろうか。地方の現場に来て、人を集め、率先垂範で泥田や藪の中に入って働いたらどうだ。

地元では誰も買い手のない魚でも、これをさばいて京阪神に送ったらどうだ。鹿の肉はまるごといくらでも送ってくれという阪神方面の食肉業者がいる。鹿は山中にいくらでもいる。処分に困っているのだ。
ポンカンやゆずもその果実を収穫する人がいなくて木になったまま腐ろうとしている。

県は、背広を脱いでネクタイを捨てて、山村にはいるべきだ。県は市町村に吸収合併されるべきだ。
県の職員がポンカンをちぎったり、魚をさばいたり炭を焼いても何もおかしくない。

東洋町の「海の駅」は本来は県が進める事業だ。
現在「海の駅」をやっている白浜ビーチは県の施設で東洋町が委託管理をしているにすぎない。そこには広大な駐車場があり立派なトイレやシャワー室がある。海水浴には毎年大勢の人が集まってくる観光地だ。無いのは、売店だけだった。

県が地場産品用の売店を増設するから運営は町民がやってくれ、というのが筋だ。小さなプレハブ小屋でも年間4000万円近くは売り上げ5万人のお客がある。無手勝流でもこれだから、ちゃんとした施設を建てたら成功することは疑いない。
銭を出さなくても町に売店建設を勧めるぐらいはしても良かったのではないか。これでは、県庁は世間のことには無関心なのではないのかと疑われる。
権力を持った者が無関心であれば、下々は無慈悲と写る。

室戸の深層水の取水・給水施設も本来は県の費用を投入するべきだ。数年前のことしか知らないが、特別会計で一応は黒字のようであるが、今も、そこに出向している正職員数名の人件費は市の本庁会計から出ているはずだ。その分赤字となるはずである。
県は、給水審査委員の大半を占めて主導権を握り、県下の企業全般に給水している戦略的事業に、人も派遣せず、金も出さない。確か、静岡県焼津の深層水施設は県の事業だ。

私がいいたいのは、

第1に、県勢浮揚の戦略事業 アクションプランで 
 あるというなら、21億円では桁が一つ足らないと 
 いうことだ。

第2に、おしゃべりやメールではなく、県のその肉体 
 と力を市町村に注いでもらいたい、ということだ。

第3に、どんな村や町をつくろうとしているのか、ど
 んな高知県にしようとしているのか、はっきりしろ
 ということだ。
 エコに徹底した産業、原子力や化石燃料から脱
 却するクリーンなふるさとをつくり、
 貧しくても伝統的な産物を作り地産地消しながら、 
 福祉と教育と文化の豊かな高知を作のか、
 それとも
 都会のゴミの後塵を仰ぎ、塵の吹きだまりの劣等 
 県をつくって、何時までも人がいがみ合う社会を 
 続けるのか。
 はっきりするべきだ。

私は本来オンブズマンであるはずだった。
その私が、県境の末端地域に来て、毎日、農産物を売ったり、花を植えたり、息つく暇もなく地域復興のため働いている。
私よりもなお、県庁や市町村の公務員は本来そういうことが本務のはずだ。指揮官か批評家でんとして高給の上にあぐらをかくのを止めて、犬歯錯綜せる野山の第一線に出て来て、人民のために犬馬の労をとるべきである。それが一番大事な産業政策だ。

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