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2008年12月 5日 (金)

本日のリコール裁判へのアッピール

本日のリコール裁判へのアッピール

News &Letters/136

本日の東洋町議員解職請求の意義について

昨日来、東洋町住民による町会議員解職請求の重要性を指摘してきたが、もう一度その重大性について取り上げる。

この裁判の争点は、

第1には、現行法令で何ら制限されていない公務員の直接請求権を正しくみとめるかどうか。
公務員関係法令や公選法で公務員の政治活動は相当制禁されているが、リコールを含む直接請求権については、明文では禁止されていない。
リコールの最終段階で住民投票となる場合にだけ公選法の準用があるとしか規定されていないから、請求行為そのものは、合法である。
有権者全てに直接請求権があるとの法律の規定が文字通り認められなければならない。

第2に、国法である地方自治法で認められている直接請求という参政権を政府の命令書にすぎない政令(施行令)で制限を加えることが出来るのか、それは憲法違反ではないか。

国民にとってはこの第2点が特に重要であろう。
国会の審議に基づいて適法に成立した国法を時の政府の政令で自由に改変することが出来るとすれば、国民の法的権利、政治活動や経済活動、生活全般が直ちに危殆に瀕する。
政令は当然、法律の範囲で、または、その趣旨で法律の委託に基づいて定められねばならない。
例えば普通選挙権は一定の年齢以上の全ての国民に認められるという国法を作って、実際の投票にはそれは男子に限る、というような政令での権利制限をすることが出来るであろうか。そんなことは到底許されないだろう。

昔を遡ればそのようなことはしょっちゅう行われた。明治憲法の下でも、正規の法律を超えて政府の命令(勅令など)でどんどん国民の権利は制限され侵害された。
例えば昭和17年の戦時刑事特別法。警察段階での被疑者の供述は明治憲法下の旧刑事訴訟法でも証拠としてはみとめられていなかったものを、この特別法の導入で裁判で証拠としてみとめることとした。それ以来今でも、日本の被疑者達は自白強要の責め苦にあい、無実の者も獄舎で呻吟せねばならなくなった。

古代の律令もそうだ。
官庁の各部局そのものがそこの収入ごと、特定氏族によって横領・世襲され(これを官司請負制という)、正規の律令は存在しても、令集解のとおり見る影もなく換骨奪胎され、そうして古代律令制は崩壊した。

古代律令制が崩壊することは歴史の進展であろうが、勅令や令集解のように政令でもって現代の民主的な法秩序、民主主義体制の崩壊は許されない。

東洋町の住民の訴えは、

今回のリコール請求は、
地方自治法やその施行令をどのように見ても違反するところはなく、正当な権利行使として認められねばならないのに、政令の歪曲的拡大解釈でそれを認めないというのはおかしいではないか、
その政令を笠にかけ、国法によって認められている権利を制限し直接請求の門戸を閉じるのは、憲法違反であり、さらには、戦前勅令を乱発して国法を踏みにじったファシスト体制に日本の民主国体を逆転させるのではないか、というものである。

この裁判を、町内でひんしゅくを買っている1議員の身分上の問題に矮小化してはならない、ということである。

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