大政奉還
News &Letters/133
大河ドラマ「篤姫」でも大政奉還の話は終わった。
日本の政治でも再び大政奉還が必要だ。
恒例の11月26日の全国町村長大会に出席してその思いが強くなった。
麻生総理大臣の登場はその感じをいよいよ強めている。ちんぴらまがいの発音で、字もろくに読めない、礼儀作法も分からない、その挙動に対して国家の「危機管理」を発動しなければならない、ふがいない総理大臣。首相とはその識見においてその品性・道徳において他にぬきんでた者であるはずが、その対極にある。本人はまるでそれに気がつかないからなおやっかいだ。
今の国政はもはや統治能力をほとんど喪失しつつある。ぼんぼんのおぼっちゃま達が、権力欲さへもなく、日本国の政権をおもちゃか何ぞのように手にしたが、それを持ちあぐねて引っ込みもつかなくなって泣きべそを掻いている。もはや、この連中に国の運命を任せておく訳にはいかない。
大政奉還が必要だ。
それは、封建権力から天皇へではない。
誰から誰への政権の奉還か。
回答:
国から地方への大政奉還である。
そもそも日本は、その歴史の大半が地方に政権があった。
律令時代の数百年と、明治以降の百数十年と、この2つの期間を除いて、ほとんどの時代は地方権力によって国が分割支配されていた。
1183年寿永2年、当時の朝廷の主である白河法王が頼朝への宣示で主として東国地方の統治権を渡したときから中央王朝政治は地方分権に傾きかけ、守護地頭制度をへて、戦国時代から江戸時代(幕藩体制)にかけて完全に地方権力体制が完成した。もちろん地方権力といっても地方の土豪劣紳、大小名ら凶暴性のある武士集団の権力にすぎないが、権力が地方に割拠していたことは事実だ。
明治の回天事業で「大政奉還」となって中央集権が復活してから今日までは、未曾有の地方抑圧・搾取の体制が続けられてきた。
全国999(数年前までは2500あった)の町村長の大会において、様々な実のある地方分権を、との声があがった。今年は、政府が推し進める道州制についても明確に反対の決議までするに到った。
今、中央権力が空転し、時代に処して国民を牽引して未来を切り開く展望すらもない、考える力すらも喪失しているときにおいて、全国の市町村長は、単に「分権」だの交付金削除反対だのという泣き言ではなく、百尺竿頭一歩を進めて、堂々と、地方に政権を返せ、大政を奉還せよ、という声を挙げるべきではないか。
全国の市町村自治体の代表団が最高権力を構成し、その連合体が財政などほとんどの内政を牛耳り、
その下に、国会を置いて、その管轄下に外交や法制、通商や災害対策などの国政を担当する省庁を置き、・・・・。決して現在の国会や省庁を上にあげたままではいけない。
こういうようにこれまでの権力関係を逆倒させ、地方権力が国政全体を睥睨し、統括する権能を回復するべきであろう。
「地方分権」などチョロいことをいっている間は中央の世襲的お坊ちゃま達にいいようにされるだけで、そのうち日本は中国とアメリカに挟殺されて蒸発してしまうだろう。
全国町村会の時にはいつも、皆さんとは別行動で私は宿を鎌倉にとって、鶴岡八幡宮を訪れ、山の上の頼朝の墓に詣でて、地方分権とは何か、800年の昔を回顧しながら、かくのごとくのことなどを考えてもみるのである。
秋の早朝、若宮堂の舞の袖の香を慕いつつ古歌を口ずさんでみた。
賤やしず しずの緒だまき
繰り返し 昔を今に
返すよしもがな
静
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