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2008年5月20日 (火)

国語の時間

News & letters 95/

ある日本の田舎(西洋町と読んでおく)の議会(特別委員会)で次のような請願書が全議員(1人欠席)によって採択となりました。日本の地方議会史に記念されるでしょう。

「当方が西洋町に貸し付けた五千万円の内、四千万円及び返済が完了するまでの間の金利合わせて速やかに予算計上されるよう、町長部局に意見書を提出してください。・・・・」
西洋町にはこの借金の証文らしきものは何もありません。それを窺わせる執行部の資料、議会の資料も何もありません。議会に提出されている「証拠」という「覚書」文書は、今から下に掲げて、国語的に解説しますが、きわめて奇妙な内容のもので、西洋町の債務を示唆するような内容でもありません。
この文面が仮に真実のものであってもこんな内容で公金を出していたら、世間で笑いものになったあげく、関係職員や首長は数珠繋ぎになって監獄にはいることになるでしょう。私は監獄に入りたくないし、人に笑われたくないのです。職員の誰をも巻き込むことはいやなのです。議員の皆さんがどんな思惑があってこの請願を採択したか分かりません。核廃棄物の時と同じ例の議員が採択に向かってわーわー声高に主張していたそうで、他の議員もまともに審議できなかったのではなかろうか。

    ******

     覚書

平成八年 月 日西洋町とA建設株式会社(現BELT(株)と協定せる西洋町リゾート開発に関する諸懸案事項解決のため貴殿(徳川家康)に同席を求めました。

一、西洋町は西洋町とA建設(株)と協定せる西洋町リゾート開発計画が取り止めのため、A建設(株)がすでに山代金追加分として、B建設株式会社社長**夫氏に対して支出している一金一億五千万円也を返戻することになり、貴殿よりその解決金の内金として一金五千万円也をA建設(株)に立替払いを事業継承者からお願いした事に相違ありません。

二、尚、その立替金の返済については、A建設(株)の権利承継者である株式会社SHARLONより開発行為許可申請の許可后支払われる山代金追加分金一億五千万円也の中より貴殿の立替金五千万円也を優先支払いをすることを確約します。
右、後日の証とするため本書差し入れます。

 平成八年六月3日
    **県**郡西洋町
           町長 豊臣秀吉  町長印
徳川家康殿

      ********

この文意は次の通りに読める。
1、西洋町はA建設(株)との間に協定していたリ  
  ゾート開発計画を止めた。
2、そのため、A建設(株)は既に山(南山)の代 
  金の追加分を地主であったB建設(株)の社 
  長**夫氏に1億5千万円支払っていた。
3、西洋町はその一億5千万円を「返戻」することに
  なった。
4、そこでその「解決金の内金」として貴殿よりA
  建設に五千万円立て替て替えて払ってくれと「事 
  業継承者」からお願いした。
5、なお、その立替金の返済方法は、(開発)権利 
  承継者である株式会社SHARLONより支払っ
  てもらえる一億五千万円の中より徳川氏に五千
  万円優先的に支払う。
               というものです。 


以上の文章でポイントとなるのは、3つある。

第1は、
西洋町がA建設に山の土地代金の「追加分」一億五千万円払うということになっていたのかどうかである。これは西洋町とA建設の間で裁判になり、西洋町は勝訴して支払いの義務がないということが確定している。

第2は、
誰が「解決金の内金」五千万円を建て替えてくれと頼んだのか、だ。それを頼んだのはこの文章の文脈では、「貴殿より」か、「事業継承者から」か不分明であるが、貴殿というのは文中に「貴殿(徳川家康)」と断り書きがあるし、A建設(株)が止めたリゾート開発事業の「事業継承者」というのも「株式会社SHARLON」ということで、そのSHARLONの現地代理人はこれまた徳川家康氏という説明である。
いずれにしても五千万円建て替えてくれとお願いしたのは徳川氏ご本人その者ということになる。
「貴殿」であれ「事業継承者」であれいずれにしても、五千万円立替の依頼者は決して西洋町でも豊臣町長でもないことは明らかであろう。

第3に、
その五千万円の支払い方法は、「SHARLONより」開発行為の許可後に支払われる山代金一億五千万の中から優先的に支払うという。
そうすると、まず開発の事業継承者であるSHARLONより一億五千万が先に支払われなければならない。その一億五千万円が誰に支払われるのか明記していないが、仮にそれを西洋町と仮定しても、SHARLONの代理人である徳川氏はまず一億五千万円を事業継承権の利権代として西洋町に支払わねばならない。そうして初めて、立替金である「解決金の内金」五千万円が支払われる、ということになる。
以上の通り西洋町が徳川氏に何の債務も負っていないということは自明であろう。
むしろ一億五千万円もらえるかも知れない。

今日の国語の授業はこれくらいにしたい。

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